ピアノは恋人 鍵盤は叩かない

鍵盤を「叩く」という表現があります。アコースティックピアノに触れないと、「弾く」とは、文字通り「叩く」ことだと思いがちです。アコースティックピアノの中には、弦が張られていて、それをハンマーが打ちます。鍵盤は、ハンマーに思いを伝える場であって、「叩く」ところではありません。叩くと、ピアノも弾く人も、傷つきます。電子ピアノには、弦が張られていないので、電子ピアノだけの人は、「叩くような弾き方」になりがちです。
 「ぎゅっと抱きしめる。」という表現がありますが、実際にぎゅっと抱きしめると、恋人は言うでしょう。「痛い・・・」。
 コトバは、情報を伝えるには、とても便利なのですが、体験の伴わない情報は、変な伝わり方をする危険があります。
 国道42号線沿いの猫の看板のある宇久井の家に、大正時代のピアノがありますので、触れてみたい人は、優しく触れてみて下さい。
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