熊野の寅さんファンによる合作脚本 後ろ姿の寅次郎 熊野夢日記 「嫌なことがあったら、汽車に乗ろう」
三重県紀宝町にあるミュージック・カフェ フォークスで 新曲コンサートスペシャルが行われている。
松原 「 2010年の1月から、地元の音楽仲間の皆さんと、未発表、自作の曲だけを発
表するという<新曲コンサート>を年に2回開催してきました。
今回は、今までの発表された曲の中から、各自が選んだ曲でコンサートを開
催します。まずは、私が、2010年7月 第2回で発表したこの曲からスタートで
す。」
「嫌なことがあったら汽車に乗ろう」 作詞作曲 松原洋一 2010.7.4 第2回
1. 長い長い人生だから いろいろあるさ
壁にぶつかりつまずき 夢破れても
雲が流れていくよ あの山の向こうに
耳をすませばほら 汽笛が聞こえるだろう
嫌なことがあったら 汽車に乗ろう
たまには逃げ出したい事も 発車オーライ
嫌なことがあったら 汽車で行こう
旅が終わればまたここからスタート
先生 「 安朗君 今回の君の旅のことを歌っているような歌だね。
君は、研修で回った世界の国々の現状を見て、自分の人生はこれでいいのか
と迷った。 <壁にぶつかりつまずき 夢破れた> わけさ。
これは、あくまで、今日の僕が、今日の歌を聴いて、解釈したことだけどね
他の人は他の人の、別の日には別の日の解釈が有るだろう。
行き詰って なすすべが全てだめだったとき その時になってやっと目覚め
ることがある。
それが 雲の流れだったりする いつも空は見ているけどね。
他力にめざめるというか 自分の力で何とかしようとしても できないと自
覚したとき、自分がもっと大きな見えない世界の中に包まれていたことに 目
覚めたりする。
人はそれを 回心といったりする。 心を改めることではなく、こころを回
すことだよ。
生態学に目覚める システム論に目覚める 世界内存在、文脈主義、縁起に
目覚める といってもいい。
娘のなちさんに 「また難しいことを言ってる」といわれそうだがね。
この歌は、2010年に初めて発表されたそうだが、<汽車><汽笛>も、何か
を象徴しているね。
これも、僕の今日の解釈だけど、汽車は、蒸気で動いている、清乃さんのお
母さんのレストランでもはなしたように、蒸気機関には、ガバナーが必ずあ
る。ガバナーというのは、システム論、精神の生態学の象徴だね。部分が全体
を動かすことはない。色即是空、空即是色 因は果であり、果は因だね。
見えないところで、機関士が汗を流しながら、石炭をスコップで掬う。窯に
入れる。石炭は燃え、水は蒸気となり、軸は回転する、それがレールに触れる
と動く。汽笛が鳴る。蒸気は、客車を温める。足の裏からそれを感じる。
<逃げ出したいなあ>と一旦は、思ってもいいんだよ。思っても、それを抱
いて、旅に出る。汽車に乗る。
すると、風の歌やレールの歌、他に旅する人の歌が聞こえてくる。